2025年に開催される「大阪・関西万博」のキャラクター「ミャクミャク(通称:ミャクミャク様)」は、決定当初から「怖い」「気持ち悪い」「不気味」などと批判の声が多くあります。
2024年9月の産経新聞のニュースによると、ミャクミャクは海外でも「ゾンビ」「モンスター」といった印象を持つ方が多く、不評なようです。
「大阪・関西万博」は予算のかかる世界規模のイベントですので、グッズの売り上げも重要だと思います。にもかかわらず、なぜ賛否両論ある「ミャクミャク」が選ばれたのでしょうか?
そこで今回は、賛否両論あるマスコットキャラクター「ミャクミャク」がなぜ選ばれたのか、選定理由について調べてみました。(考察)
ミャクミャクは怖いのになぜ選ばれた?キャラクター選定理由5選(考察)
【ミャクミャクは怖いのになぜ選ばれた?キャラクター選定理由5選(考察)】
- 選ばれた理由①ロゴを生かしたキャラクター
- 選ばれた理由②万博のテーマ・コンセプトに合っている
- 選ばれた理由③かわいさより話題性を重視
- 選ばれた理由④万博はそもそも変わったキャラクターが多い
- 選ばれた理由⑤怖いからかわいいに変わる?意外と人気
選ばれた理由①ロゴを生かしたキャラクター
まず第一に、「ミャクミャク」が怖いと言われる大きな要因である赤い目玉の部分は、先に決定した「ロゴ」をそのまま生かしたデザインとなっています。
■参考:公式サイト(2020.09.18:ロゴマーク決定)
万博のロゴとキャラクターは、全く別のデザインとなっていることが多いですが、今回の「大阪・関西万博」のロゴにはインパクトとキャラクター性があるため、今回のキャラクター選考では「ロゴとの親和性や共存性が重視されていた」とのことです。
そのため、今回のキャラクターデザインが選ばれた理由のひとつには、「ロゴをそのまま生かしたデザインだった」ということが挙げられます。
実際、キャラクターデザインの最終選考に残った3作品は、すべてロゴを生かしたデザインとなっています。
また、キャラクターデザインの作者・山下浩平さんも、今回のキャラクターの制作意図を「ロゴマークをそのままキャラクターに出来ないかな?というアイデアから生まれた」と説明しています。
■参考:公式サイト(最優秀作品が決定)
なお、ロゴの作者は大阪市浪速区稲荷を拠点に活動している「TEAM INARI(代表:シマダタモツさん)」です。
ロゴの最終候補作品5作品は、下記となっています。
こうしてみると、ミャクミャクの元となっているロゴデザインは、他の作品よりも明らかに斬新で目を引きます。
決定したロゴだけを見ると「怖い」「気持ち悪い」といった嫌悪感を抱きやすいですが、他の作品と比べると、目新しさやキャラクター性がみえるところから、今回のロゴが魅力的に見え、選びたくなる気持ちも少しわかるような気がしました。(個人の感想)
選ばれた理由②万博のテーマ・コンセプトに合っている
2025年に開催される「大阪・関西万博」のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」となっています。
また、目指すものとして、「SDGs達成への貢献」や「日本の国家戦略Society5.0の実現」も掲げられています。
今回選ばれたミャクミャクのキャラクターデザインには、脈をイメージさせるデザインの他、「様々な姿に変化できるというコンセプト」があるため、こういった点が「いのち」「多様性」「未来への発展・進化」といった今回の万博のテーマに合っています。(他の最終候補作品には、「変化・発展」といったコンセプトはありませんでした。)
■参考:公式サイト(最終候補作品3作品)
なお、キャラクターデザインの選定理由には、下記が挙げられていました。(デザイン決定までの記録映像参考)
- ロゴを継承しつつ展開できるデザイン(いろいろな展開の仕方がある)
- 「多様性」や「SDGs」といったテーマを踏まえている
- 決め手は「多様性に対して開かれたかたちである」という点
- いままで見たことないような挙動や活用方法、楽しさが期待できる
選ばれた理由③かわいさより話題性を重視
キャラクターデザインの選考時には、「キャラクターが愛されることが大切」と語られていたものの、選ばれた「ミャクミャク」は、「万人に愛される」とは言い難いデザインです。
もっと万人受けするかわいいデザインでも良かったのでは?とも思いますが、この点については記者会見時に選考委員会の方が、様々な意見はあるものの「どのくらい注目が集まるか」というところにキャラクターのポテンシャルがあり、そこに期待していると述べています。
そのため、今回の「大阪・関西万博」のキャラクターは、「無難なかわいさ」よりも「怖さや批判も含んだ話題性」のほうを重視したようです。
実際、「ミャクミャク」には批判を含んだ様々な意見があるものの、X(旧Twitter)では度々「ミャクミャクが怖い」ということが話題となっています。
また、冒頭で取り上げた「ミャクミャクが海外でも不評」という情報だけのYahoo!ニュース(産経新聞)には、コメントが7,000件以上集まっており、脅威的な数字となっていますので、今回のキャラクターは「話題性」としては十分すぎるくらい役割を果たしていると言えるでしょう。
マスコットキャラクターではないですが、1970年に開催された大阪万博の象徴「太陽の塔」も、話題性はあったものの、「かわいい、親しみやすい」とは言い難いです。
※なお、今回のロゴの作者(代表)とキャラクターの作者は、どちらも「太陽の塔」に影響を受けているとのことです。
選ばれた理由④万博はそもそも変わったキャラクターが多い
その他、万博の歴代のキャラクターを調べたところ、そもそも万博のキャラクターは開催テーマに合わせていることもあり、少々変わったキャラクターが多いです。
万博は先進的で壮大なテーマが多いため、キャラクターもそれに合わせて「宇宙人」「水」「自然」といったものを擬人化した少し変わったキャラクターになりがちなのはしょうがないのかもしれません。(中でも「ミャクミャク」が断トツで異質ですが。)
2015年に開催された食がテーマの「ミラノ万博」のキャラクターも、今回の「ミャクミャク」ほど批判はないですが、けっこう怖いです。
選ばれた理由⑤怖いからかわいいに変わる?意外と人気
最後に、ミャクミャクには「怖い」「気持ち悪い」という評価がある一方で、一定の層には「かわいい」と人気があります。
昨今は「キモかわいい」という概念が浸透していることもあり、「怖いけどかわいい」「不気味だけどなんか愛らしい」「へんなところがいい、面白い」と感じる方も多いようです。
東京と大阪で2023年4月に発売されたミャクミャクのぬいぐるみ(数量限定)は、販売開始から数時間で売り切れたとのことですので、熱狂的なファンがいることも伺えます。(参考:日経クロストレンド)
そのため、ミャクミャクが選ばれた理由は「愛されるキャラクターだから(一部には)」とも言えます。
なお、ミャクミャクのキャラクター設定は、見た目が怖い・不気味というマイナス面を補うように、全力で万人に愛されるような設定(かわいくて親しみやすい、ユーモアのある性格)となっています。
「ミャクミャク」について
細胞と水がひとつになったことで生まれた、ふしぎな生き物。その正体は不明。
赤い部分は「細胞」で、分かれたり、増えたりする。
青い部分は「清い水」で、流れる様に形を変えることができる。
なりたい自分を探して、いろんな形に姿を変えているようで、人間をまねた姿が、今の姿。
但し、姿を変えすぎて、元の形を忘れてしまうことがある。
外に出て、太陽の光をあびることが元気の源。雨の日も大好きで、雨を体に取り込むことが出来る。
開幕前から自分のことを皆さんに知ってもらい、2025年に開催される大阪・関西万博で多くの人に会えることを夢見ています。プロフィールについて
引用:EXPO2025公式サイト(公式キャラクターについて)
出生地
関西のどこかにある小さな湧水地。
性格
人懐っこいが、おっちょこちょいでよくポカをする。
特技
色々な形に姿を変えられること、雨上がりに虹を見つけること。
好きなこと
あらゆる生き物や物事と触れ合うこと。
※声もかわいいです。
ちなみに、筆者はどちらかというと「怖い・不気味」という否定派だったのですが、調べているうちにだんだんちょっとかわいく見えてきてしまいました(笑)。
まとめ:ミャクミャクは怖いのになぜ選ばれた?キャラクターのポテンシャルに期待
今回は、「大阪・関西万博(2025年)」のマスコットキャラクター「ミャクミャク」が怖いのになぜ選ばれたのか、選定理由について考察してみました。
キャラクター「ミャクミャク」は、見た目については賛否両論あるものの、話題性としては十分すぎるほど役割を果たしていると言えます。
今後も「怖い」「気持ち悪い」という点で非難する声は多いと思いますが、徐々に愛されるキャラクターとして浸透していくポテンシャルも持ち合わせていることがわかりましたので、今回の記事で「怖いのになぜ選ばれた?」という疑問が少しでも解消されましたら幸いです。
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